長距離幹線輸送
北海道⇔関東、
関東⇔関西⇔九州
仕組み・メリット・コンテナ船との違いを解説
RORO船=トラック・トレーラーがそのまま乗り降りできる貨物専用船
クレーン不要の「水平荷役」で積み下ろしが迅速
無人航送でドライバーの拘束時間を大幅削減(2030年問題対策の切り札)
CO2排出量はトラックの約1/5(モーダルシフトの現実的な選択肢)
栗林商船は1969年に国内初のRORO船を建造した業界のパイオニア
RORO船(ローローせん)とは、「Roll-on/Roll-off Ship」の略称で、トラックやトレーラーが自走して船内に乗り降りできる貨物専用船です。日本の内航海運を支える重要な輸送手段であり、特にトラック輸送のドライバー不足対策として注目が高まっています。
船首及び船尾に設けられたランプウェイ(傾斜路)から車両がそのまま出入りするため、クレーンを使わずに積み下ろしができます。この方式は「水平荷役」と呼ばれ、コンテナ船の「垂直荷役(クレーンで吊り上げる)」と対をなす荷役方式です。
日本で初めてRORO船を建造したのは栗林商船です。1969年に国内初のRORO船「神珠丸」を建造して以来、50年以上にわたり日本の内航RORO輸送を牽引してきました。
戦車揚陸艦(LST)が原型
商業輸送に転用、世界中で普及
栗林商船が国内初のRORO船「神珠丸」を建造
北海道⇔関東、
関東⇔関西⇔九州
ドライバー不足や
CO2排出に対応
建設機械や
車両の輸送
船内電源で
リーファー対応
船首及び船尾に設置された大型の開閉式傾斜路。
大型トレーラーがそのまま走行して船内に
出入りできます。クレーンや特殊な荷役機械が不要。
船内は複数層のデッキ(甲板)で構成。中央のトレーラー
デッキと上部・下部の車両デッキを貨物の種類に応じて
使い分け、大型トレーラーから乗用車まで柔軟に対応できます。
| 貨物種別 | 内容・代表例 |
|---|---|
| トレーラー | 一般貨物を積んだトレーラーをそのまま積載 |
| 商品車両 | 乗用車・トラック・建設機械などの完成車 |
| 冷蔵冷凍貨物 | 食品・農産品(船内電源で温度管理) |
| 紙製品・パルプ | 巻取紙・板紙(栗林商船は100年以上の紙輸送実績) |
| 鋼材・建材 | 鉄鋼製品・建築資材 |
| 日用品・農産物 | 消費財・農産品 |
ヘッドがトレーラーを船内へ搬入し、
船内でトレーラーを切り離す
トレーラーのみを海上輸送。
ドライバーは乗船せず、拘束時間を削減
別のヘッドがトレーラーを連結し、
そのまま下船して配送へ
RORO船とコンテナ船は、どちらも貨物を運ぶ船ですが、荷役方法が根本的に異なります。
実際には、同じ荷主企業が貨物の種類に応じてRORO船とコンテナ船を使い分けるケースも多くあります。
RORO船とフェリーは見た目が似ていますが、法律上の分類と用途が明確に異なります。
| 比較項目 | RORO船 | フェリー |
|---|---|---|
| 法的分類 | 貨物船(内航海運業法) | 旅客船(海上運送法) |
| 旅客 | 12名以下(乗組員・ドライバーのみ) | 13名以上の一般旅客を輸送 |
| 旅客設備 | なし(客室・レストラン等なし) | 客室・レストラン・浴室あり |
| 輸送形態 | 無人航送(トレーラーのみ)が主流 | 有人航送(ドライバー同乗)も多い |
RORO船はトレーラーだけを預けてドライバーは帰れる → ドライバーの拘束時間を大幅削減。
2024年の働き方改革規制強化(いわゆる「2024年問題」)以降、ドライバーの拘束時間上限が厳格化されたため、無人航送が可能なRORO船の需要が急増しています。
RORO船を利用した海上輸送には、トラック長距離輸送にはない多くのメリットがあります。
無人航送(トレーラー輸送)により、航行中の十数時間はドライバーが不要。2024年問題以降、ドライバーの拘束時間上限が厳格化されたため、無人航送が可能なRORO船の需要が急増しています。
船舶はトラックの約1/5のCO2排出量。環境にやさしい輸送手段として、サプライチェーン全体のカーボンニュートラルに貢献します。
クレーンを使わず車両が自走するため、積み下ろしが迅速。コンテナ船が1個ずつクレーン操作するのに対し、RORO船は複数台が同時に走行して乗り降りできます。
コンテナに収まらない大型貨物や規格外貨物にも対応可能。商品車、冷蔵冷凍貨物、紙製品・パルプ、鋼材・建材、日用品・農産物を日常的に輸送しています。
大規模災害時に陸路が寸断されても、海上輸送ルートが確保されていれば物流を維持できます。東日本大震災でもRORO船による海上輸送が緊急物資の輸送に大きな役割を果たしました。
栗林商船は自社RORO船に加え、グループ全体で3,300台以上のトレーラーを保有。発地から着地まで海陸複合一貫輸送をワンストップで提供できます。
クレーン荷役費が不要、ドライバー人件費の削減、さらに国土交通省のモーダルシフト補助金制度も活用可能。トータルの物流コスト削減につながります。
トラック輸送の一部を環境負荷の小さい船舶に切り替える「モーダルシフト」。2024年問題・2030年問題への対策として国も強力に推進しており、RORO船はその最も現実的な選択肢です。
RORO船を活用した物流ソリューションの導入メリットや活用事例を、無料の資料で解説しています。
RORO船にはメリットだけでなく、利用にあたって知っておくべき注意点もあります。
ただし、いずれも事前の理解と適切なパートナー選びで十分に対応可能です。
トラックの「今日積んで明日届く」に対し、RORO船は運航スケジュールに合わせた計画的な出荷が必要です。
ただし、北海道⇔本州のような長距離では、ドライバーの休憩・交代を含む陸送と比較すると実質的な差は小さいケースもあります。
また、1隻でトレーラー150台前後を一度に輸送できるため、輸送重量あたりで比較すれば差はさらに小さくなります。
栗林商船なら
長距離区間では陸送との実質差は想像以上に小さくなります。リードタイムのシミュレーションもご提案時にお伝えします。
RORO船は定期便として曜日・時刻が決まっています。そのため「急に今日運びたい」という対応は難しく、事前の出荷計画が求められます。
栗林商船なら
週複数便の運航を行っており、計画出荷に慣れれば大きな制約にはなりません。むしろ安定した輸送サイクルが構築できます。
RORO船はランプウェイ対応の港でしか荷役できません。コンテナ港のようにどこでも使えるわけではないため、発地・着地と港のアクセスを考慮する必要があります。
栗林商船なら
苫小牧・釧路・仙台・東京・清水・名古屋・大阪の7港に寄港。グループ会社の陸送ネットワークで港からの配送もカバーしています。
台風や荒天時には、運航の遅延や欠航が発生する場合があります。特に冬季の北海道航路では、季節風による時化が増える時期があります。
ただし、これはフェリーや他の海上輸送手段にも共通する課題であり、RORO船固有のリスクではありません。
栗林商船なら
定時運航率98.78%2024年度実績
1969年から冬の北海道航路を運航してきた経験があります。季節ごとの気象リスクを見込んだ余裕ある輸送計画のご相談から、遅延時のご連絡・代替スケジュールのご案内まで、事前の備えをお手伝いします。
栗林商船は以下の港を結ぶ定期航路を運航しています。
寄港地:苫小牧-釧路-仙台-東京-清水-名古屋-大阪
栗林商船は7隻のRORO船を運航し、年間10万台を超えるトレーラーを輸送しています。
主要航路の運航頻度は苫小牧〜東京 週5便、東京〜大阪 週5便。
| 船名 | 竣工年 | 総トン数 |
全長 |
トレーラー |
乗用車 |
|---|---|---|---|---|---|
| 神明丸 | 2000 | 13,091 | 160.56 | 130 | 260 |
| 神珠丸 | 2019 | 14,052 | 174.95 | 165 | 260 |
| 神永丸 | 2021 | 14,054 | 174.95 | 165 | 260 |
| 神加丸 | 2014 | 16,726 | 174.95 | 165 | 170 |
| 神北丸 | 2017 | 12,430 | 169.95 | 155 | 250 |
| 神泉丸 | 2020 | 14,054 | 174.95 | 165 | 260 |
| 神王丸 | 2020 | 13,620 | 190.00 | 194 | 200 |
貴社の物流課題に合わせた航路・プランのご提案が可能です。
輸送能力
時間外労働の上限規制
(年960時間)
輸送能力
約9.4億トン相当が不足
ドライバーの高齢化(50歳以上が約半数)と大量退職により、2030年には輸送能力の約3分の1が失われると推計されています。
2024年問題は構造的な変化の始まりであり、トラック輸送だけに頼らない物流体制の構築が急務です。
RORO船は、環境負荷の低減や運航効率の向上など、次世代技術を活用した進化を続けています。
国土交通省も2023年6月に「物流革新に向けた政策パッケージ」を策定してモーダルシフトを推進しており、RORO船の増便・新航路に対する補助金制度も整備されています。
新型省エネ舵「ゲートラダー」を採用した新造船の建造や、ジャトロファ由来のバイオ燃料(SVO)を実航路で使用した実証実験などを推進。
より環境負荷の少ない海上輸送の実現に向け、次世代技術の活用に取り組んでいます。
船舶性能の向上や省エネ技術の活用とともに、運航効率の向上を推進。
RORO船の輸送力を活かした効率的な海上輸送で、持続可能な物流を支えます。
トラック輸送からRORO船などの海上輸送へ切り替えるモーダルシフトには、国の補助制度を活用できる場合があります。
物流の効率化やCO₂削減、ドライバー不足への対応を検討する企業を支援します。
モーダルシフトの検討から導入まで、貴社の課題に合わせてご提案いたします。