RORO船とは?

仕組み・メリット・コンテナ船との違いを解説

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30秒で分かるRORO船の要点

  • 01

    RORO船=トラック・トレーラーがそのまま乗り降りできる貨物専用船

  • 02

    クレーン不要の「水平荷役」で積み下ろしが迅速

  • 03

    無人航送でドライバーの拘束時間を大幅削減(2030年問題対策の切り札

  • 04

    CO2排出量はトラックの約1/5(モーダルシフトの現実的な選択肢)

  • 05

    栗林商船は1969年に国内初のRORO船を建造した業界のパイオニア

RORO船とは

RORO船(ローローせん)とは、「Roll-on/Roll-off Ship」の略称で、トラックやトレーラーが自走して船内に乗り降りできる貨物専用船です。日本の内航海運を支える重要な輸送手段であり、特にトラック輸送のドライバー不足対策として注目が高まっています。

船首及び船尾に設けられたランプウェイ(傾斜路)から車両がそのまま出入りするため、クレーンを使わずに積み下ろしができます。この方式は「水平荷役」と呼ばれ、コンテナ船の「垂直荷役(クレーンで吊り上げる)」と対をなす荷役方式です。

RORO船の船体全景
大型トレーラーをそのまま積載できるRORO船

RORO船の歴史

日本で初めてRORO船を建造したのは栗林商船です。1969年に国内初のRORO船「神珠丸」を建造して以来、50年以上にわたり日本の内航RORO輸送を牽引してきました。

  • 第二次世界大戦中

    戦車揚陸艦(LST)が原型

  • 戦後

    商業輸送に転用、世界中で普及

  • 1969年

    栗林商船が国内初のRORO船「神珠丸」を建造

どんな場面で使われるか

幹線輸送

長距離幹線輸送

北海道⇔関東、
関東⇔関西⇔九州

モーダルシフト

モーダルシフト

ドライバー不足や
CO2排出に対応

重量物・建機輸送

大型・規格外貨物

建設機械や
車両の輸送

冷凍・冷蔵輸送

冷蔵・冷凍貨物

船内電源で
リーファー対応

RORO船の仕組みと構造

RORO船のランプウェイ

ランプウェイ(傾斜路)

船首及び船尾に設置された大型の開閉式傾斜路。
大型トレーラーがそのまま走行して船内に
出入りできます。クレーンや特殊な荷役機械が不要。

デッキ(甲板)

船内は複数層のデッキ(甲板)で構成。中央のトレーラー
デッキと上部・下部の車両デッキを貨物の種類に応じて
使い分け、大型トレーラーから乗用車まで柔軟に対応できます。

中央デッキ
天井高3.8〜4.2m 大型トラック・トレーラー対応
上部・下部デッキ
天井高2.1〜2.5m 乗用車・小型車両
神永丸の積載例
トレーラー147 乗用車260 巻取紙2,000
RORO船の船内デッキ

主な積載貨物

貨物種別 内容・代表例
トレーラー一般貨物を積んだトレーラーをそのまま積載
商品車両乗用車・トラック・建設機械などの完成車
冷蔵冷凍貨物食品・農産品(船内電源で温度管理)
紙製品・パルプ巻取紙・板紙(栗林商船は100年以上の紙輸送実績
鋼材・建材鉄鋼製品・建築資材
日用品・農産物消費財・農産品

無人航送(トレーラー輸送)の仕組み

1
発地の港

発地の港

ヘッドがトレーラーを船内へ搬入し、
船内でトレーラーを切り離す

2
航行中

航行中

トレーラーのみを海上輸送。
ドライバーは乗船せず、拘束時間を削減

3
着地の港

着地の港

別のヘッドがトレーラーを連結し、
そのまま下船して配送へ

RORO船とコンテナ船の違い

RORO船とコンテナ船は、どちらも貨物を運ぶ船ですが、荷役方法が根本的に異なります。

RORO船
RORO船イラスト
自走で積み降ろし(水平荷役)
クレーン不要
車両・重機・規格外貨物も可
船首・船尾の2口から同時荷役が可能
荷役方式
港湾設備
対応貨物
荷役速度
コンテナ船
コンテナ船イラスト
クレーン吊り上げ(垂直荷役)
ガントリークレーンが必須
標準コンテナに収まる貨物
1個ずつクレーン操作が必要

どちらを選ぶべきか

RORO船が向いている

  • 車両・重機・規格外貨物の輸送
  • トレーラー単位でまとめて運びたい
  • ドライバー不足対策が目的

コンテナ船が向いている

  • 標準サイズの貨物を大量に運びたい
  • コスト効率を最重視したい

実際には、同じ荷主企業が貨物の種類に応じてRORO船とコンテナ船を使い分けるケースも多くあります。

RORO船とフェリーの違い

RORO船とフェリーは見た目が似ていますが、法律上の分類と用途が明確に異なります。

比較項目 RORO船 フェリー
法的分類 貨物船(内航海運業法) 旅客船(海上運送法)
旅客 12名以下(乗組員・ドライバーのみ) 13名以上の一般旅客を輸送
旅客設備 なし(客室・レストラン等なし) 客室・レストラン・浴室あり
輸送形態 無人航送(トレーラーのみ)が主流 有人航送(ドライバー同乗)も多い

最も大きな違いは「無人航送」の可否。

RORO船はトレーラーだけを預けてドライバーは帰れる → ドライバーの拘束時間を大幅削減。

2024年の働き方改革規制強化(いわゆる「2024年問題」)以降、ドライバーの拘束時間上限が厳格化されたため、無人航送が可能なRORO船の需要が急増しています。

RORO船のメリット

RORO船を利用した海上輸送には、トラック長距離輸送にはない多くのメリットがあります。

01

ドライバーの拘束時間を大幅に削減できる

無人航送(トレーラー輸送)により、航行中の十数時間はドライバーが不要。2024年問題以降、ドライバーの拘束時間上限が厳格化されたため、無人航送が可能なRORO船の需要が急増しています。

最大 86% 削減
02

CO2排出量を
大幅に削減できる

船舶はトラックの約1/5のCO2排出量。環境にやさしい輸送手段として、サプライチェーン全体のカーボンニュートラルに貢献します。

導入実績
  • AGC様CO2 54%削減
  • 湖池屋様CO2 30%削減
トラック比 1/5
03

荷役時間が短い

クレーンを使わず車両が自走するため、積み下ろしが迅速。コンテナ船が1個ずつクレーン操作するのに対し、RORO船は複数台が同時に走行して乗り降りできます。

04

多様な貨物に対応できる

コンテナに収まらない大型貨物や規格外貨物にも対応可能。商品車、冷蔵冷凍貨物、紙製品・パルプ、鋼材・建材、日用品・農産物を日常的に輸送しています。

05

BCP(事業継続計画)対策になる

大規模災害時に陸路が寸断されても、海上輸送ルートが確保されていれば物流を維持できます。東日本大震災でもRORO船による海上輸送が緊急物資の輸送に大きな役割を果たしました。

06

海陸複合一貫輸送でワンストップ対応

栗林商船は自社RORO船に加え、グループ全体で3,300台以上のトレーラーを保有。発地から着地まで海陸複合一貫輸送をワンストップで提供できます。

07

物流コストの最適化につながる

クレーン荷役費が不要、ドライバー人件費の削減、さらに国土交通省のモーダルシフト補助金制度も活用可能。トータルの物流コスト削減につながります。

08

モーダルシフトの実現手段になる

トラック輸送の一部を環境負荷の小さい船舶に切り替える「モーダルシフト」。2024年問題・2030年問題への対策として国も強力に推進しており、RORO船はその最も現実的な選択肢です。

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RORO船のデメリットと注意点

RORO船にはメリットだけでなく、利用にあたって知っておくべき注意点もあります。
ただし、いずれも事前の理解と適切なパートナー選びで十分に対応可能です。

リードタイムが陸送より長くなる場合がある

トラックの「今日積んで明日届く」に対し、RORO船は運航スケジュールに合わせた計画的な出荷が必要です。
ただし、北海道⇔本州のような長距離では、ドライバーの休憩・交代を含む陸送と比較すると実質的な差は小さいケースもあります。
また、1隻でトレーラー150台前後を一度に輸送できるため、輸送重量あたりで比較すれば差はさらに小さくなります。

栗林商船栗林商船なら 長距離区間では陸送との実質差は想像以上に小さくなります。リードタイムのシミュレーションもご提案時にお伝えします。

運航スケジュールに合わせた計画出荷が必要

RORO船は定期便として曜日・時刻が決まっています。そのため「急に今日運びたい」という対応は難しく、事前の出荷計画が求められます。

栗林商船栗林商船なら 週複数便の運航を行っており、計画出荷に慣れれば大きな制約にはなりません。むしろ安定した輸送サイクルが構築できます。

使用できる港が限られる

RORO船はランプウェイ対応の港でしか荷役できません。コンテナ港のようにどこでも使えるわけではないため、発地・着地と港のアクセスを考慮する必要があります。

栗林商船栗林商船なら 苫小牧・釧路・仙台・東京・清水・名古屋・大阪の7港に寄港。グループ会社の陸送ネットワークで港からの配送もカバーしています。

天候による遅延リスク

台風や荒天時には、運航の遅延や欠航が発生する場合があります。特に冬季の北海道航路では、季節風による時化が増える時期があります。
ただし、これはフェリーや他の海上輸送手段にも共通する課題であり、RORO船固有のリスクではありません。

栗林商船栗林商船なら 定時運航率98.78%2024年度実績 1969年から冬の北海道航路を運航してきた経験があります。季節ごとの気象リスクを見込んだ余裕ある輸送計画のご相談から、遅延時のご連絡・代替スケジュールのご案内まで、事前の備えをお手伝いします。

RORO船の国内主要航路

栗林商船は以下の港を結ぶ定期航路を運航しています。
寄港地:苫小牧-釧路-仙台-東京-清水-名古屋-大阪

7
7
年間 10 万台
RORO船の国内主要航路地図 - 栗林商船は苫小牧・釧路・仙台・東京・清水・名古屋・大阪を結ぶ航路を運航(他社船の航路と寄港地も併記)

栗林商船は7隻のRORO船を運航し、年間10万台を超えるトレーラーを輸送しています。
主要航路の運航頻度は苫小牧〜東京 週5便、東京〜大阪 週5便

栗林商船の運航船舶(7隻)

船名 竣工年 総トン数(GT) 全長(m) トレーラー(台) 乗用車(台)
神明丸 2000 13,091 160.56 130 260
神珠丸 2019 14,052 174.95 165 260
神永丸 2021 14,054 174.95 165 260
神加丸 2014 16,726 174.95 165 170
神北丸 2017 12,430 169.95 155 250
神泉丸 2020 14,054 174.95 165 260
神王丸 2020 13,620 190.00 194 200

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