ガバナンス
コーポレート・ガバナンスの考え方
当社は社会貢献を果たすなかで継続的に長期安定的な株主価値の最大化を追求することが、株主の皆様のご期待に最も応えるものと確信しています。
そのためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが最も重要な課題であると認識しています。特に財務諸表をはじめ重要事項の決定などにおける適時開示を適切に行い、経営の透明化に常に配慮するとともに、経営者の監視機能として取締役会、監査役会が有効に機能することに十分留意していくことが重要であると考えています。
コーポレート・ガバナンス体制
当社は、各取締役で経営情報を共有し、法令の遵守、リスクの管理、企業情報の迅速で公正な開示に努め、適正な経営を確保する体制を構築しています。また、監査役3名の全員を社外監査役としており、監査役会が取締役会の経営意思決定、経営陣による業務執行を監督・チェックする体制を整えています。さらに、監査役会は、内部監査室とも連携し、内部監査報告書を受領し、業務調査結果についてもチェックしています。
コーポレート・ガバナンス報告書(2025年6月27日)(376KB)
コンプライアンス体制
当社は、コンプライアンス委員会を設置し、役員、従業員の法令遵守、社会的倫理に則した行動の推進、環境に配慮した企業活動の遂行、危機に備えた管理体制の構築を行っています。また、弁護士を受付窓口とした「内部通報相談窓口」を設置し、社内各部署におけるコンプライアンスリスクの軽減を図っています。
事業等のリスク
当社グループの業績は、今後起こり得る様々な要因により影響を受ける可能性があります。以下には当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 自然災害に対するリスク
当社グループは、船舶による海上貨物輸送を主な業務としております。このため、地震・台風等の自然災害によって、船舶の運航、港湾荷役、車両運行などの業務遂行に支障をきたすことがあります。このような場合、売上高の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するため、当社グループでは、事業継続計画の策定により、災害時の初動対応や連絡体制を確立し、有事におけるバックアップ拠点の体制を整備するなどの対策を講じております。
② 船舶運航上のリスク
当社グループの海運事業において、船舶の運航、港湾荷役等は平素より安全運航、安全作業に最大の注意を払い、各種保険への備えとともに、安全管理規程を遵守し、安全対策に取り組んでおりますが、不慮の事故や自然災害、テロ等に遭遇する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するため、当社グループでは、年1回海陸合同演習を実施し、全社的な教育・訓練を行うなどの対策を講じております。
③ 船舶燃料油価格の影響
当社グループが運航する船舶の燃料油価格は、近年、急騰・急落と大きな変動があり、取引先に対して「燃料油価格変動調整金」の協力をお願いしておりますが、燃料油価格の著しい変動等によって、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは引き続き運航の効率化に努めるとともに、燃料油価格にかかる情報収集を進めています。
④ 金利の変動
当社グループの設備・運転資金は主に金融機関から調達しております。当期においては大きな調達金利の上昇はありませんでしたが、調達金利の上昇が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、従来よりコミットメントラインの活用や金利の固定化に努めております。
⑤ 人材の確保
当社グループは、労働集約型の事業を展開しており、船員など専門性が高く質の高い人材の確保が必要であり、人材確保のために人件費の増加が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するため、当社グループでは、引き続き良好な就業環境の整備など優秀な人材の定着に向けた対策を講じるとともに、マニュアルの整備・運用により世代間の円滑な技術伝承を進めております。
⑥ 資産価格の変動に対するリスク
当社グループは、保有する資産(船舶、土地、建物、投資有価証券等)について、経済情勢や市況の変化等によって資産価値が大幅に下落した場合、当該資産の処分等に伴う損失や減損損失の認識によって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは引き続き業績のモニタリングにより、リスクへの対策を講じるよう努めております。
⑦ サイバーリスク
当社グループでは、業務全般においてデータシステムを活用し、内外との接続に必要なIT環境が整備・運用されており、サイバーインシデントが発生した場合、経済的損失や社会的信用の失墜が顕在化するリスクがあります。特に顧客の個人情報を取得・保有している事業においては上述のリスクに加え、損害賠償請求や行政指導が発生し、当社グループの業績および財務状況に多大な影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対応するため、当社グループでは、機密性・可用性・完全性のサイバーセキュリティの三原則に則り、最新技術の導入に努めるとともに、専門家との連携を進めております。
⑧ 経営戦略に関連する環境保全のリスク
当社グループが中期経営計画で掲げるサステナビリティ経営の目標値として、令和12年度までの内航海運のCO2削減目標を17%(平成25年度比)としております。当社グループの海運事業において、CO2削減目標達成に資する船舶関連技術の導入および次世代燃料への転換等による追加の費用が必要となる場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、船舶関連技術の導入時などに、費用と効果の試算を進めリスクの低減に努めます。